短編 | ナノ


▼ 五伏




ちょっとMな五島くんと甘えたな伏見さん



息苦しさで目が覚めた。元々眠りの浅い僕は小さい頃から何度も夜中に目が覚めてしまうことが常だったので、大人になった今でもそうで、簡単に目がさめてしまうのが少し悩みだった。
息苦しさの原因は恐らく僕の上にのしかかる重量と、僕の首を締めようと絡まる手。気が遠くなってきたことに危機感を抱いた僕は目の前の重たくのしかかる人物を力を振り絞って殴った。
その一撃がまあまあ効いたらしく俺の上から退いてくれた。そして僕の首を締めつけていた手も解かれ、一気に取り込まれる酸素に咳き込んだ。

「…っはぁ、はぁ、…随分と…過激な夜這いですね…?」
「うっせーなアンタが起こしても起きないからですよ」

意味がわからない。起きなかったら首締めるとか初めて聞いたんですけど。
時計を見やれば時刻はまだ2時。なんなんだ。明日もお互い仕事なのだから寝かせて欲しい。

「どうかしたんですか?」
「……」
「僕、明日早番なんで眠りたいんですよねぇ…伏見さんもでしょう?早く寝ましょう…」

黙ったままだったのでそのまま布団に潜ろうとするとなんと伏見さんが僕の布団に潜り込んできた。

「どうしたんですか?」
「アンタが、俺の前から勝手にいなくなる夢、見て、どうしようもなくムカついたから、殺したら俺だけのもんになるかな、と思って」

首を絞めた。そう、心無しか申し訳なさそうに語る伏見さん。なんだ、そういうことだったのか。夢を見て不安になるなんて意外に可愛いところがあるんだな、この人。
向き合おうと体勢を変えようとしたとき、伏見さんが僕の背中にしがみつくように抱き着いてきた。これは、ちょっと僕でも動揺する。

「……伏見さん」
「今日はこのまま、寝てもいいですか」
「…別にいいんですけどねぇ…耳元で話すのやめてもらえませんか?さっきからいちいちムラムラさせるようなことやめてもらえませんか?」
「ふっ…」
「何笑って………っ!?」

あろうことかこの確信犯クソビッチ上司は背後から僕のズボンに手を入れて自身をさわさわと触ってきた。既に半勃ちのソレを抜きながら、ぐしょぐしょですね、と嘲笑する。
もちろんやられっぱなしでいられるわけもなく、伏見さんの手を掴み、起き上がって伏見さんにのしかかった。

「…何?明日早いんじゃなかったんですか?」
「性格悪すぎですよ、貴方」

噛み付くようにキスを仕掛ける。そういえばキスなんて久方ぶりにしたかもしれない。
口を離せば不敵に口角を上げて妖艶に笑う顔があって、どうしようもなくゾクリとした。

「可愛い、僕だけの伏見さん…」
「アンタ、よくそんな恥ずかしいセリフを恥ずかしげもなく言えますよね」
「んふふ、伏見さんにだけですよ」

ペロリと首筋を舐めあげればピク、と身体を震わせる伏見さん。小動物のようなそんな姿は昼間の上司の姿からは微塵も感じられなくて、夜中のこんな伏見さんを僕だけが知っているのだと思うと、ますます独り占めしたくなって、さっきの伏見さんの子供じみた独占欲に少しだけ共感した。

「アンタの抜くだけ、そのあと寝ていい。」
「え、でも伏見さんが」
「いいから黙って咥えられてろ」

そんな横暴な。僕の反抗は聞いてもらえるはずもなく、さっさと僕のズボンとパンツを下ろして完全に勃ちあがったものを形のいい口でパクリと咥えられてしまった。
舌で先端をグリグリとされながら最初から頭を動かしながら奉仕される。ちろちろと動く伏見さんの舌がきもちよくて思わずぐっ、と声が出てしまう。それに嬉しそうにしながら亀頭を甘噛みされる。それも気持ち良いと思ってしまう僕は少しMに目覚めかけているのかもしれない。

「ふ、んぅ、ご、とう、さ、きもちぃ…?」
「…ッ、ええ、気持ちいいですよ。流石クソビッチ伏見さん。百戦錬磨ですね…っぐぁ、ったい!痛い!」
「噛みちぎるぞ」

少し萎えかけた俺の自身を伏見さんは噛んだあとをペロペロと舐めた。なにそれ猫みたい。かわいい。
竿をベロリと舐めたかと思うと追い上げるようにくわえこんで上下に抜き始めた。それに耐えられるはずもなく、あっけなく僕は達してしまった。躊躇することなく僕の白濁を飲み込んだあと、また蔑むように笑って、早漏、と呟いた。

「ふふ、伏見さんが上手いからですよ」

僕の下半身を拭いて元通りに着せたあと、伏見さんがまた布団に潜り込んで僕にしがみつくように身体を丸めた。その丸まった身体を覆うように抱きしめて額にキスをした。

「おやすみなさい、伏見さん」






5月24日は五伏の日ときいて!!1日遅くなったけど五伏の日おめでとう五伏増えろ爆発しろ!!





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